五十嵐威暢展
2013.12.9(mon)−12.21(sat)
ギャラリーなつか&C-View
≪空知のかけらに会いに来ませんか・五十嵐威暢≫
"やさい"/五十嵐威暢 "会場風景"五十嵐威暢
「やさい」

H95xW125xD90mm
2013年
ぎゃらりーなつか会場風景
"山の家""ひとり山"/五十嵐威暢
"会場風景"/五十嵐威暢
(左)「山の家」            (右)「ひとり山」      
陶                    陶
W150×H155×D160mm       W160×H160×D160
2013                   2013



C-View会場風景

偶然のような土との出会いでした。
それ以来10数年が経ち、今も子どものように土と戯れています。
土に触れていると何故か心が温まります。
やがて人が帰って行く土=大地は、待っていてくれた故郷のようなものだからかもしれません。

土は、私たちを支える地面であったり、作物を育てる畑だったりしますが、それは人間や命を育む大地の一部分であり地球そのものです。
土すなわち大地=地球を素材にして作品をつくっているとの思いが、大いに気持ちを高ぶらせてくれます。

いわゆる道具は最初から使い方もよく知らなかったし、身の回りにあるもの何でも道具代わりにして来ました。石ころ、木の枝、棒切れ、葉っぱ、用途の分からない金物、などなど。無論、手や指や足も総動員して身体でつくって来ました。

土を相手に作品をつくるとき、圧力を加え、削り、彫り、引きちぎり、叩いたり、曲げたりします。土は素直に反応してくれて形や表情を変えて仲間のように付き合ってくれます。このような過程において、おぼろげな故郷・空知地方の記憶、色、かたち、動き、川と山からの風、匂い、それらの変化がまるで自然がくれた「かけら」のように、そして私の不完全な技術のなせる技と相まって、完全とは言えない姿を表してくれます。この不完全と言える「かけら」こそが私が探しているものでもあるのです。

テラコッタの土は陶芸のロクロで使うものと比べて相当に硬い。そして、彫塑の後に乾燥させ、やがて焼かれて、最後には石のように硬くなります。それは土の水分が蒸気となって空気中に拡散し、死のような安定へ向う荘厳な変化でもあります。大袈裟かもしれませんが、土で表現することは、地球というかたちになる儀式をしているようにも感じます。
まだまだ努力しないと嫌われそうな気もしますが、総てを自然に受け入れて、やっと土の気持ちに少し添えるようになった気分です。


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2013 schedule

アーティスト

1944年、北海道滝川市生まれ。グラフィック・プロダクトデザイナーとして活動後、1994年、彫刻家に転進。主に公共空間のための彫刻制作を続けている。主要な彫刻作品として、福岡大学図書館の「知の大地」、元赤坂の「The mother earth」、東京ミッドタウンの「予感の海へ」、滝川市一の坂西公園の「にょきにょき」、札幌駅パセオ地下広場の「テルミヌスの森」など。

故郷では五十嵐アート塾や太郎吉蔵デザイン会議を主宰。多摩美術大学学長。2011年、北海道新十津川町の旧吉野小学校を改修した自身のアトリエ兼ギャラリー「かぜのび」が開館し一般公開されている。(冬期休館)。


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