NPO法人かがわ・ものづくり学校について NPO法人かがわ・ものづくり学校は、主たるメンバーが、画家、陶芸家、彫刻家、写真家、建築家、染織家、コンピューターエンジニアで構成されています。理事長は、香川大学教授で現代陶芸作家倉石文雄です。私達は、日本国香川県綾川町枌所にある旧枌所小学校を「四国ものづくり学校・MONOHOUSE」と名付け、その運営を行っています。そこでは、現在共同で芸術創作活動、教育活動を中心に行っています。 旧枌所小学校は、過疎により2003年廃校となりました。現在日本では、地域格差により地方の過疎化が進み、社会形態の変革が迫られています。人々は、住み慣れた郷里を離れ、都市部への移転を余儀なくされています。地方においてはもはやそこに住む意味さえなくなったかのようです。第2次世界大戦後日本は、地方に工場を作り大量に「もの」を生産し大都市で流通させ、その結果めざましい経済発展を成し遂げてきました。日本の戦後復興を支えたのは、地方であり「ものづくり」でありました。しかし同時に地方は、自然が破壊され、豊かな漁場は、埋め立てられ、森林は見捨てられ代償も大きいものでした。時代は、移り社会形態が変わろうとする中、この負の遺産も取り残され、顧みられることは少ない。 しかし、私たち「NPO法人かがわ・ものづくり学校」は、地方の可能性を信じこの問題を解決するため芸術家として「ものづくり」の視点で取り組んでいます。 MONOHOUSEの意味する「MONO」は、物質としての「物」、人間としての「者」、「唯一」を意味する「MONO」であります。そして法人の趣旨に賛同し参加する芸術家は、様々な分野の専門家です。彼らは、分野を超えて互いに刺激し協力し合い実験的精神で新たな創作を行うことを目的としています。 私達は、自分たちの研究成果を社会に還元する重要な活動も行っています。その一つは、綾川町には、優れた陶土がとれます。陶芸家は、それを生かした陶芸製品の研究をしています。また、四国山地では、和紙の原料となる楮、三椏、雁皮、竹などの植物が多く自生しています。画家は、これらの植物を原料とした和紙生産を行い絵画作品や、生活用品への転用を試みています。また、日本の伝統的な漆塗料の原料漆木の栽培にも着手して工芸作家、彫刻家が作品を制作しています。 そして、この法人は、主たるメンバーとともに地域の中小企業の技術者、研究者、大学関係者、地域住民、地域行政が連携を取り、社会教育活動や、特産品生産、アーチストインレジデンス、国際交流<カナダ>と幅広くその可能性を探っています。そしてこれらはそれぞれに必然的に結びついています。 |