中村 岳展
2006.6.19(mon) - 6.24(sat)
ギャラリーなつかb.p

遡及空間「柱-隆房卿NA06-gold#1」・遡及空間「隆房卿NA06-#1,2」/中村岳 会場風景/中村岳
遡及空間「柱-隆房卿NA06-gold#1」
H100/W10.5/D10.5cm
木材、アルミ、塗料、金泥、古び粉、他

遡及空間「隆房卿NA06-#1,2」
H10/W181/D3.5cm
木材、うるし、塗料、アクリル絵具、油絵具、他
会場風景


○吹抜屋台
日本独自に発展した表現法。平安貴族の生活を覗き見するように屋根や、壁を取り払った建物の描き方が絵巻物の大和絵で発達した。建物全体の意識をとらえながらも、人物の相互関係を示すことができる。俯瞰構図と絵巻という時系列を合わせた表現形式は、絵画というよりも、フィルムを思い起こさせる。

○日本建築考
「芸術」という概念は、明治以降に輸入されてきたものだろう。襖絵や欄間等、日本美術は建築との関係が密接である。日本建築は常に外界に開かれていて、自然観と人工美を絶妙に調和させている。茶室は一つ一つの部材に意匠や技術を通じて、茶の思想を具現化させているという。まるで吹抜屋台の物語の中に、入っていくような仕掛けが隠されているようだ。

○桂離宮
桂離宮を見ていると極力襖絵などの存在が抑えられている。ただパターン化された襖紙が占められている。まるで絵画を否定しているように、木材の枠組が空間を支配している。しかし枠組の「間」の概念には絵画の幻影が見隠れしているようだ。元来日本美術は装飾などから分化しきらず建具や建築の一部のようになっている。襖絵や掛軸は何処か建物の一部に組み込まれたような印象がある。桂離宮のただ均等に並んだ柱のイメージは、それまでの日本の美意識を打破ったと同時に、究極の簡素美を導きだすことに成功している。


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2006 schedule



1966 北海道生まれ
1993 多摩美術大学絵画科油画専攻卒業
1997 多摩美術大学大学院修了

【個展】
1996 ギャラリー現/東京
1997 ギャラリー現/東京
豊生画廊/東京
1998 ギャラリー現/東京
1999 ギャラリー現/東京
ガレリアラセン/東京
2000 ギャラリー現/東京
ガレリアラセン/東京
2001 ギャラリーなつか/東京
ガレリアラセン/東京
2002 ギャラリー現/東京
花菖蒲園白井「田園」耕導画庵/千葉
2003 ガレリアラセン/東京
ギャラリーなつか/東京
2004 ギャラリーなつか/東京
2005 ギャラリーQ/東京
ギャラリー現/東京
2006 ギャラリーなつか/東京

【主なグループ展(省略)】
1993 原宿ハナエ・モリ・インターナショナル スペース・ザ・グランド/東京
1995 NICAF横浜/神奈川
1996 室蘭丸井今井・クレオギャラリー/北海道
キリンアート スペース原宿/東京
2000 ガレリア ラセン/東京
Key Gallery/東京
「21世紀韓・日美術交流展」大田広域市 市立美術館/大田広域市韓国
「フィリップ モリス アート アワード展」恵比寿ガーデンプレイス/東京
2001 「ハンガリー・ジャパンアート展」ミハイル・ムンカーチ美術館/ハンガリー
「日・韓現代美術交流展」埼玉県近代美術館/埼玉
2003 サムソンプザ・ギャラリー/ソウル韓国
「韓日現代美術展」スウォン美術館/ソウル韓国
「新世代への視点」ギャラリーなつか/東京
「Tokyo Global Art」O美術館/東京
2005 ギャラリー舫/東京
ギャラリー福山/東京
ギャラリーQ/東京

【その他】
1993 キリンコンテンポラリー・アワード「奨励賞」
1998 ホルベイン・スカラシップ/東京
2000 フィリップ モリス アート アワード最終審査展

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