母袋俊也展
略歴
2014 2011 2009 2005 2003
painting
≪TA・KOHJINYAMA≫
2007.1.9(tue)-1.27(sat)
ギャラリーなつか&b.p

ギャラリーなつか 会場風景/母袋俊也 "M362 TA・KOHJINYAMA"/母袋俊也
ギャラリーなつか 会場風景

"M362 TA・KOHJINYAMA"/母袋俊也
「M362 TA・KOHJINYAMA」
H160×W800cm(10panels)
アクリル・油彩/綿布
2006

ギャラリーなつかb.p 会場風景/母袋俊也 ギャラリーなつかb.p 会場風景/母袋俊也
ギャラリーなつかb.p 会場風景

「Plandrawing TA・KOHJINYAMA 3〜12」
「Plandrawing-Kopie TA・KOHJINYAMA 1〜27」

<出品作品リスト>
1 M362 TA・KOHJINYAMA
2 M364 TA・KOHJINYAMA1
3 M363 TA・KOHJINYAMA2
4 Plandrawing TA・KOHJINYAMA 3〜12
5 Plandrawing-Kopie TA・KOHJINYAMA 1〜27



絵画/風景 考
TA・KOHJINYAMAに寄せて

1999年の第1作以降、<絵画のための見晴らし小屋>は、それぞれのサイト性と呼応する様に姿を変え、窓によって切り取られる風景は、TA系の絵画作品と関係を築きながら展開してきている。
その「絵画」と「見晴らし小屋」を介した像の交通、すなわち光景・viewと像・Bildの運動は、矩形のもとでの膜状化による絵画生成への示唆を僕に与え、絵画の普遍と本質を詳らかにしつつある様である。
<絵画のための見晴らし小屋・荒神山>は、2006年春、南アルプスと中央アルプスに挟まれる伊那谷最北部、辰野の小高い山、荒神山に設営された。その小屋に開かれた横長フォーマートの窓は天竜川に導かれ遠のいていく風景の水平性を、また正方形に近いフォーマートは荒神山のもみじの色彩をとらえている。
今展出品されるTA・KOHJINYAMAは、タイトルの字数が示す様に10枚組の偶数連結であり、その横長フォーマートの風景は、今まで僕が取り組んできた典型的なTA系のそれとは多少異なっていた。そこでの地平線は、天竜川の流れに導かれ低く保たれ、左右からの山並は圧縮されわずかながらも中心性の含みを持っている。上方には空が拡がり、更にはるか上方、その空を背景にアルプスの直線的な稜線を再び浮かび上がらせているのだった。これは二重の水平性、言わば水平性の二階構造の様でもあり、今まで僕が、横長フォーマートで実現しようとした水平性の原理とはまた異なった原理を提供したのだった。
風景には視線の双方向性があり、人が風景を見るだけではなく、風景によって人々は見守られている。この様に僕はいつの頃か考え始めている。僕らが描き出そうとする絵画もまた、本来その様な任を負っていたとも考えられる。
ところで今回のTA・KOHJINYAMAが、あるいはその取り組んでいる新たな原理が、視覚の双方向性を獲得し、その強度を確保できるのかは制作の渦中にある今の僕にはわらかない。しかしそれが絵画へとむかう動機である事もまた確かなことである。


2006.晩秋 母袋俊也
"絵画のための見晴らし小屋・荒神山"/母袋俊也
"絵画のための見晴らし小屋・荒神山"/母袋俊也
「絵画のための見晴らし小屋
 ・荒神山」
コンクリート基礎、木材、塗装、
ガルバリウム鋼板
H415cm
2006




関連文献一覧へ

<2007年個展 関連文献>
2007.1 「母袋俊也 TA・KOHJINYAMA」 母袋俊也 TA・KOHJINYAMA展カタログ
2007.1 「絵画/風景考 TA ・KOHJINYAMAに寄せて 個展TA・KOHJINYAMA カタログ/自筆
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