「移動計画」
また、動くことになりそうである。 今の住所が、区画整理によって都市計画道路になるらしい。そのための立ち退きということだ。つい先日も別件で、執行官が現況調査におとずれたばかりで、まもなく所有者の都合による東京地裁の競売もはじまるというのに。どう転ぼうと、早々に動かねばならない。まったく当てはないが、新たに住まいや仕事場を確保するにしても再び、自分の手による普請ということになるだろう。そう思ったとき、ふと、ある考えが浮かんだ。 場所が決まる前にとりあえず、家の床だけつくってしまおう、と。 まず、「場」を決めるということ。そして、移動。 過去のプロジェクトはいずれも、「具体的な場所」や「工事という動機」などの、さまざまな前提があった上でのはじまりだった。しかし、今回は先制して自分から仕掛ける、つまり、「場」をつくるという作為から入るのだ。ホワイトキューブの中から現実の社会に繋がってゆこうという目論見である。 あらかじめ用意しておく「場」に乗ってどこへ辿り着けるか定かではない。ただ、今は他に手の打ちようがないと いうのが正直なところである。(2004年10月10日現在の事情)
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