阿部アヤ展
2011.3.28(mon)−4.2(sat)
ギャラリーなつか
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≪ 膠彩画 ≫
"狐百合栽培図"/阿部アヤ "赤×黄×緑=グロリオサ"/阿部アヤ
会場風景

「狐百合栽培図」
軍道紙 赤金(真鍮粉) 胡粉 膠 パネル
約150×540cm(60×30cm 36parts)

「赤×黄×緑=グロリオサ」
軍道紙 岩絵の具 墨 顔料 金箔 膠 パネル
120×120cm



"花変化・栄光花"/阿部アヤ "花変化・グロリオサ"/阿部アヤ
「花変化・栄光花」
和紙 岩絵の具 顔料 箔 墨 胡粉 金泥 膠 パネル
91×72.7cm(F30)


「花変化・グロリオサ」
軍道紙 岩絵の具 胡粉 顔料 膠
バイアスコアパネル
90×90cm


日本画の定義について様々論じられて久しい。ボーダーレス化する平面表現のなかで、画材、精神性(品格)、余白の扱い、装飾性というふるいにかけて見直してみた時、日本画としてはずせない要素が自ずと見えてくることを期待して10年が過ぎた。なかでも画材は表現に大きく影響し、特にメディウムとしての膠は日本画として不可欠という思いを強くした。ことさら「膠彩画」と併記するのもそのためである。また画材に注目したことで伝統の画材を支える現場が危機的状況にあることも知ることになった。使用素材と調達先をすべて明記することも、素材の重要性を今一度思い起こすための試みだったが現代のマーケットの中で日本画材も利便性や価格の問題において例外ではないことを再認識させられた。

東洋画に共通する精神性もまた大切な要素だと思う。りんご農家はよい実を作るにはよい木を育てなければならず、よい木を育てるにはよい土作りを心がけることが大切という。作品もまたすべての結果として生まれてくるものなのだから画材はもちろん作り手の在りようが制作の始まりと思う。日本の外の文化圏から見たときに東洋の中の日本固有のものとは何か。作家がその点をあえて意識せずに作り出したものでも、作品が作家の結果だとすれば、自然と日本固有のものが醸し出されてくるものなのか。日本で生まれ育った自分にはよく見分けることができない。見る側の感性に委ねるよりほかにないように思う。ただ奥ゆかしさ、細やかな心使いは美術にとどまらず他分野でも日本的美意識としてあげられる特色でありこれが精神性や品格に通じるものと思う。

昨年末、某画材店主催の膠セミナーで、三千本膠を作っていた最後の一軒が釜を下ろしたことを最新ニュースとして店主が語った。いずれは店頭から消え、それは膠彩画の歴史の終了を意味するという。新しいメディウムを選択することを強いるようにも受け取られた。

伝統は絶えず革新によって生き延びてきた。何で描くかより、どう描くかで日本絵画を温存し広く世界に持ち出せることにもつながるという。

今回の個展が三千本膠のその後を見守りながら、これからの日本画を求めていく通過点として大切な節目となるように感じている。


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2011 schedule

1954 東京生まれ
1980 東京学芸大学大学院(絵画講座日本画)修了
1975〜1988 日展会友 武田良三(日本画家 師・中村岳陵)に師事

【個展】
1991,1994 長岡大和百貨店ギャラリー(新潟県長岡市)
1993 銀座タカゲン画廊(東京都中央区)
1996,1999 銀座ギャラリー中沢(東京都中央区)
2004 アトリエ喫茶それいゆ(山梨県山中湖村平野)
2006 三鷹市美術ギャラリー(東京都三鷹市)
2007 ギャラリー街角(東京都国立市)
旭日丘ギャラリー(山梨県山中湖村平野)
2008 ギャラリーなつか(東京都中央区)
2009 ギャラリーなつか(東京都中央区)
2010 ギャラリーれがろ(東京都杉並区)

【グループ展】
2002 二人展 銀座ギャラリー中沢(東京都中央区)
2004 二人展 銀座ステージ21ギャラリー(東京都中央区)
2004〜 多摩現代美術作家小品展  ギャラリー街角(東京都国立市)
2006〜 「三鷹から」世界に羽ばたく作家たち  ぎゃらりー由芽(東京都三鷹市)
2007 東京展春季会員展 地球堂ギャラリー(東京都中央区銀座)
再会展 青樺画廊&KEY Gallery(東京都中央区京橋)
二人展 アトリエ喫茶それいゆ(山梨県山中湖村平野)
2008 笑福だるま展 ギャラリー工房わあす(東京都青梅市)
三鷹アーティスツネットワーク展  三鷹市美術ギャラリー(東京都三鷹市)
2009 アートDEだるま展 ギャラリーわあす(東京都青梅市)
東京展春季会員展 地球堂ギャラリー(東京都中央区銀座)
サロン ど 東京展 銀座ワン (東京都中央区)
三鷹アーティスツネットワーク展II  三鷹市美術ギャラリー(東京都三鷹市)
2010 新春小品展 ぎゃらりー由芽(東京都三鷹市)
世界に一枚しかないポストカード展 Ouchi Gallery (NY U.S.A)
植物区(3人展) ギャラリーなつか(東京都中央区)
第9回ル・タン選抜展  画廊るたん(東京都中央区)
2011 新春小品展 ぎゃらりー由芽(東京都三鷹市)

【TACネットワーク(Tama Artist & Citizen Network)プロジェクト展】
2000 ふれあうアートひろがるアート展  三鷹市芸術文化センター(東京都三鷹市)
「秋の色」展 多摩森林科学園(東京都八王子市)
2002 アートinはむら つながるアート展 ギャラリーさくら(東京都羽村市)
2003 野外アートinはむらV つながるアート展 ギャラリーさくら(東京都羽村市)
学校美術館 羽村市松林小学校(東京都羽村市)
2004 アートinはむらW展 羽村市郷土博物館(東京都羽村市)
2005 府中ビエンナーレ連動企画「接近」展U 府中市美術館(東京都府中市)
2006 「接近」展V くにたち芸術小ホール(東京都国立市)
アートinはむらY展 羽村市生涯学習センターゆとろぎ(東京都羽村市)
2007 「接近」展W 府中市美術館(東京都府中市)
ゆとろぎ美術館 依頼展示(東京都羽村市)
アートinはむらZ展 羽村市生涯学習センターゆとろぎ(東京都羽村市)
2008 学校美術館 武蔵野市第三小学校(東京都武蔵野市)
アートinはむら[展  羽村市生涯学習センターゆとろぎ(東京都羽村市)
「接近」展X くにたち芸術小ホール(東京都国立市)
2009 学校美術館  羽村市松林小学校(東京都羽村市)
アートinはむらIX展  羽村市生涯学習センターゆとろぎ(東京都羽村市)
2010 アートinはむらIX展  羽村市生涯学習センターゆとろぎ(東京都羽村市)

【公募展等】
多摩総合美術展 1991(佳作),1994,1996,2002
武蔵野市美術大賞展 2004
美術の祭典・東京展  2004(優秀賞),以後毎年出品

【所属】
美術の祭典・東京展 http://www.tokyoten.com/index.html
TACネットワーク (Tama Artist & Citizen Network) http://www.tacnetwork.net/
三鷹アーティスツネットワーク夢 http://many08.info/


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