李 一烈展
2010.5.10(mon)−5.15(sat)
ギャラリーなつか
会場風景/李一烈 "境"/李一烈
会場風景


「境」


"戸片-1"/李一烈 "戸片-2"/李一烈
「戸片-1」

「戸片-2」


 韓国で生まれ育った自分の感性は,兵役の間,経験した軍事訓練で記憶している火薬の匂いや,破壊された現場を今でも鮮明に記憶している。今,自分のテーマである「素材・現象・想起」はこのような精神的背景と密接な関わりを持っていると考える。
 現象は様々な角度から考えなければならない。自然が創り出す現象が自然界に存在するものによる物理的な作用であるならば,自分が表現のキーワードとしている現象は,より計画的でより人為的なことであると考えられる。自然界で行われる浸食や風化,崩壊,火災などの要素は自然発生的な出来事であって,意図された表現の結果とは言えない。
 土を素材とする焼き物の表現領域はある意味で自然界の無秩序な変化に依拠することが多い。本来,土は変化の激しい物質であって,特に水分の量が増えたり,減ったりすることによって様々な表面の状態の変化をもたらす。このような変化は焼成の過程でより克明に表われる。表面の変化だけではなく,粒子そのものの構造が変わるものである。
 自分の表現における主な内容の柱は,土という素材が呼び起こす現象である。現象そのものがもっている物理的な意味だけではなく,土だからこそできる特別なイメージの演出である。
 土には優しさと強さという二つの性質があると考える。外部の影響に敏感に反応することも本来の優しさによるものであると思うが,多くの条件を満たさないと土による表現というのは思う通りにはなかなかできないものである。
 土には元々潜在するエネルギーがある。素材のもつ力は色々なかたちで変わるが,特に土は激しく変化する。土が見せる急激な変化は,自分にとって最も興味深い題材である。土の持つ本来の力をかたちとして表現したいと考えている以上,土が呼び起こす現象には心から感心する。
 土の変化が呼び起こす現象からできる造形と,その結果として表われる様々な「想起」を作品とどのように結びつけるかが自分の主題である。


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2010 schedule

1975 韓国釜山生
2007 金沢美術工芸大学修士課程(美術工芸研究科工芸専攻)修了
現在 金沢美術工芸大学博士課程(美術工芸研究科工芸専攻)3年次

【個展】
2010 インフォーム・ギャラリー <金沢>
2007 インフォーム・ギャラリー <金沢>

【グループ展】
2009 アート&クラフトin御仏供杉09国際交流展 <白山>
2008 第47回北陸中日美術展 21世紀美術館  <金沢>
アート&クラフトin御仏供杉08国際交流展 <白山>
2007 長三賞現代工芸ビエンナ-レ セントレアギャラリー/愛知県美術館ギャラリー <名古屋>
結実の土・陶の美展 G-WING‘Sギャラリー <金沢>
金沢美術工芸大学大学院陶磁コース10人展 ギャラリーマロニエ <京都>
2006 日韓現代陶芸−新世代の交感展−愛知県陶磁資料館 <名古屋>
石川現代工芸展 香林坊大和八階ホール <金沢>
交感する種展 市民芸術村<金沢>
第4回キリンアートコンクル 白山市民交流センター・キリンビアパーク <白山><金沢>
第6回益子陶芸展 益子陶芸美術館 <益子>
第5回出石磁器トリエンナーレ 豊岡市伊藤清永美術館 <豊岡>
ざぶん賞−ざぶん展2006− 21世紀美術館 <金沢>
ライフ=アート展 金沢駅もてなしドーム <金沢>
2005 石川現代工芸展 香林坊大和八階ホール <金沢>
第44回北陸中日美術展 石川県立美術館  <金沢>
北陸中日美術展選抜展 加賀アートギャラリー <加賀>
LAYER展<金沢>
セラミックス×3人展 石川国際交流サロン <金沢>
外国留学生交流展 金沢市文化ホール <金沢>
2004 酒の器展−あわら市誕生記念− 金津創作の森 <あわら>
第2回キリンアートコンクル 白山市民交流センター・キリンビアパーク <白山><金沢>
第43回北陸中日美術展 石川県立美術館 <金沢>
2001 韓国工芸大展 ソムリ文化芸術会館 <益山/韓国>

【受賞】
2007 第5回キリンアートコンクル(大賞)
2006 石川現代工芸展(奨励賞)
第4回キリンアートコンクル(佳作賞)
2004 第2回キリンアートコンクル(佳作賞)
2001 韓国工芸大展(奨励賞)
2000 国際陶芸大展(奨励賞)


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