背景をさぐる vol.3
2006.7.10(mon)−7.22(sat)
ギャラリーなつか

会場風景/背景をさぐる vol.3

会場風景


水景座像/伊東敏光 確かあの日だったと思う/小泉俊己 Button/古屋一弘
伊東敏光
「水景座像 Sitting Waterscape」
大理石、鉄に亜鉛メッキ
Marble, Steel plated with zinc
H1520×W610×D540mm
2005年

小泉俊己
「確かあの日だったと思う」
鉄、ガラス、銅、鉛、木
119h X 103.5w X 67.5d  cm
2006年


古屋一弘
「Button」
みかげ石
88cm × 88cm × (h)16cm
「Button」
92cm × 92cm × (h)38cm
大理石


◇伊東敏光
近年、「風景を彫刻する」試みを続けています。
今こだわっているのは、瀧や川や湖のなどの水にまつわるいくつかのシーンですが、それを彫刻していく際、私の視点はその風景の内側に強くあるにもかかわらず、制作中は外側のかたち(form)をつくる作業にほとんどの時間を費やします。
ギャップを埋めるため最近よくドローイングをしますが、意識していない部分は描かなくても不自然に感じない絵の世界の自由さにこころ惹かれます。
但し、わたしの意識する世界には肌触りがあり、空間としての奥行きがあります。困難な課題も多く残されていますが、制作の際に感じる素材の内側から発せられる抵抗感と光に、改めて彫刻の可能性を見出しながら、私の中にあるいくつかの風景を彫刻しています。


◇小泉俊己
辿り着けない場所がある。いや、場所なのか事柄なのか、気分なのか状態なのか、それすらも明確ではない。突然現れる「あれ」を、なんとかもう一度生み出せはしないものかと考える。ただつくるほどにそれはいつも遠のく。いや正確に言えば遠いのか近いのかではなく、「あれ」でなければ意味がない。
つくれると思ってはいけない。それは危険なことである。いかに感じることが出来るのか、そして受け入れられるのか、それが重要である。
観察をしよう。記録を取ろう。その堆積がいずれマッスとなり、新たな風景が生まれる。そしてその風景は世界のほんの一部であるかもしれないが、私にとってはすべてであり、世界と繋がる唯一の接点でもある。その接点の一つに私の「彫刻」がある。


◇古屋一弘
いつも光がそこにあること。
小さくて大きな空間であること。
装飾的であること。
最低限自分の感情が表れない形であること。
ただそこに在るだけのものであること。
そうしたことを、ただ一つのこととしてボタンを作っている。


伊東敏光 Ito Toshimitsu 戻る
2006 schedule



1959 千葉県生まれ
1985 東京芸術大学美術学部彫刻科卒業
1987 東京芸術大学大学院美術研究科修了
1998 ドイツ、デュッセルドルフ美術大学に短期研究留学
現在、広島市在住、広島市立大学芸術学部助教授

【個展】
1986 Gアートギャラリー(東京)
なびす画廊(東京)
1987 Gアートギャラリー(東京)
なびす画廊(東京)
1988 淡路町画廊(東京)
1989 「知覚の揺動」 ギャラリーなつか(東京)
1990 秋山画廊(東京)
1991 ギャラリーなつか(東京)
1992 横浜ガレリアベリーニの丘ギャラリー(神奈川)
1994 秋山画廊(東京)
1996 秋山画廊(東京)
1998 秋山画廊(東京)
1999 「砂鉄の庭」秋山画廊(東京
2000 「不在の庭」 広島市立大学芸術資料館展示室(広島)、AD&Aギャラリー(大阪)
2005 Ito Toshimitsu Recent Drawings and Small Sculptures いづつや(広島)

【グループ展】
1987 「アート・ドキュメント'87」 栃木県立美術館(栃木)
「大倉山アートムーブ'87」 横浜市大倉山記念館(神奈川)
1989 「ドローイング倉庫展」 ヒルサイドギャラリー(東京)
「The Exhibition'89」 シェラトン・グランデ・トウキョウベイ・ホテル&タワーズ(千葉)
1990 「Small Size Collection」 ギャラリーなつか(東京)
「Inside Eye The 2nd-1991」 東京銀座アートセンター(東京)、京都アートセンター(京都
1992 「Small Size Collection」 ギャラリーなつか(東京)
「第1回アート・アーティスト・オーディション受賞者展覧会」 ソニービル・ ソミドホール(東京)
「第5回現代日本具象彫刻展」 千葉県立美術館(千葉)
1993 「ラムサールアート展」 釧路市生涯学習センター(北海道)
「'93フィールドワーク・イン藤野」(神奈川県藤野町)
1994 「アジアヒロシマ芸術大賞展」 中国電力ホール(広島)
1995 「ASH展」 アートスペースHAP(広島)
彫刻シンポジウム「東条アート・ドキュメント'95」 (兵庫県東条町)
「コ・クの展開」 ふくやま美術館ギャラリー(福山)
「歴史的建造物と芸術の共振展」 旧広島大学学校教育学部図書館(広島)
1996 「国際交流野外彫刻展」 海の中道海浜公園(福岡)
1997 「第2回歴史的建造物と芸術の共振展」 旧宇品陸軍糧秣支廠倉庫(広島)
「アジア現代彫刻展」 釜山文化会館(韓国)
「広島市立大学芸術展」 広島県立美術館ギャラリー(広島)
1998 「第3回歴史的建造物と芸術の共振展」 サントリー宮島工場(広島)
「第6回アジア現代彫刻会展」 福岡市赤煉瓦文化館(福岡)
1999 「日米立体造形作家展」 広島アステールプラザ・市民ギャラリー(広島)
「トリエンナーレ東広島1999」 東広島市美術館(広島)
金ヶ江和隆追悼記念「現代造形の構築展」 福岡県立美術館(福岡)
2000 「アジア現代彫刻 日本・韓国・台湾」 高雄市立美術館(台湾)
「アジア現代彫刻会台湾交流展帰国展」 福岡アジア美術館(福岡)
2001 第3回アジア現代彫刻展」 寧殷美術館(韓国)
2002 「トリエンナーレ東広島2001」 東広島市美術館(広島)
「倉橋アートドキュメント2002 -臨界域-」(広島県倉橋町)
「第一回国際ミニチュア彫刻展-2002台湾-」 国立台北歴史博物館(台湾)
「アジア現代彫刻会国際交流展」 福岡アジア美術館(福岡)   
東広島現代美術プログラム2003「白市DNA」(東広島市高屋町白市)
「表象都市メタモルフォーシス広島-芸術実験展示プロジェクト2003-」 旧日本銀行広島支店(広島市)
2004 「アジア現代彫刻会招待展」 弘益大学校現代美術館(韓国・ソウル)
北村西望生誕地南有馬現代彫刻プロジェクト「Interdependence.-Cのかたち-」(長崎県高来郡南有馬町)
2005 「医療と芸術」展 広島大学病院(広島)
2006 「第2回 出雲 玉造アートフェスティバル」 玉造温泉各所(島根県松江市玉湯町)
「背景をさぐる Vol.2」 ギャラリーなつか(東京)

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小泉俊己 KOIZUMI Toshimi 戻る
2006 schedule



1958 東京生まれ
1983 多摩美術大学彫刻科卒業
1985 多摩美術大学大学院美術研究科修了
1993 文化庁芸術家在外派遣研修員として、ドイツに1カ年滞在
現在 多摩美術大学絵画学科助教授

【個展】
1985 ギャラリー山口/東京
1986 ギャラリー山口/東京
1988 ギャラリーなつか/東京
1989 ギャラリーなつか/東京
1990 ギャラリー山口/東京
1991 ギャラリーなつか/東京
1993 イトーキ銀座ニューオフィスギャラリー/東京
ギャラリーなつか/東京
1995 ギャラリーなつか/東京
1998 ギャラリーなつか/東京
2001 ギャラリー山口/東京
2005 島田画廊/東京

【グループ展】
1984 第15回日本国際美術展(東京都美術館/東京、京都市美術館/京都)
1985 第17回現代日本美術展(東京都美術館/東京、京都市美術館/京都)
「臨界芸術・'85の位相」展(村松画廊/東京)
1986 第5回平行芸術展(小原流会館/東京、同館/大阪)
芸術-平和への対話展(大倉山記念館/横浜)
現代日本の美術3-戦後生まれの作家達(宮城県美術館/仙台)
1987 今日の立体(山口県立美術館/山口)
彫刻動物園(栃木県立美術館/宇都宮)
ニュートレンズ(世田谷美術館/東京)
1989 世田谷美術展(世田谷美術館/東京)-以降開催年に出品
現代日本美術展-20ste Biennale Middelheim-Japan(ミッデルハイム野外彫刻美術館/アントワープ・ベルギー)
第25回今日の作家展-かめ座のしるし(横浜市民ギャラリー/神奈川)
1991 INSIDE EYE The 2nd-1991(東京銀座アートセンターホール/東京、同ホール/京都)
野性の復権(世田谷美術館/東京)
第2回足立区野外彫刻展(足立区元淵江公園/東京)
1992 彫刻の遠心力-この10年の展開(国立国際美術館/大阪)
1995 大阪トリエンナーレ1995-彫刻(マイドームおおさか/大阪)
1996 チバ・アート・ナウ'95(佐倉市美術館/千葉)
1998 アート/生態系 美術表現の「自然」と「制作」(宇都宮美術館/栃木)
1999 フライラウム(ABCギャラリー/バラナシ・インド)
2005 第21回現代日本彫刻展(宇部市野外彫刻美術館/山口)
2006 背景をさぐるVol.2(ギャラリーなつか/東京)

【主な収蔵先】
世田谷美術館
足立区まちづくり公社
厚木NTT基礎技術総合研究所
大阪府立現代美術センター
八王子市南大沢文化会館
大阪府泉佐野市総合文化センター
大阪府三島郡島本町ふれあいセンター
茂原市茂原神経科病院

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古屋一弘 FURUYA Kazuhiro 戻る
2006 schedule



1959 東京に生まれる
1991 東京芸術大学 美術学部彫刻科 卒業
1993 東京芸術大学大学院 美術研究科彫刻専攻 修了

【個展】
1993 ときわ画廊/東京
1994 ギャラリーNWハウス/東京
1995 ギャラリーなつか/東京
1996 「To imagine of a person」横浜ガレリアベリーニの丘ギャラリー/神奈川
1997 「ROUND 1997」ギャラリーなつか/東京
1998 ギャラリープス/東京
2000 「楽園」藤屋画廊/東京
「河」ギャラリーなつか/東京

【グループ展】
1997 「Japan Eye Exhibition」シネマテーク/エルサレム、イスラエル
1999 「イセヨシアニュアル99」ギャラリーイセヨシ/東京
2005 「石の思考」東京芸術大学陳列館/東京
2006 背景をさぐるVol.3 ギャラリーなつか/東京

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