背景をさぐる vol.2
2006.6.26(mon)−7.8(sat)
ギャラリーなつか

会場風景/背景をさぐる vol.2

会場風景


時の流れのように/相澤久徳 コート/古伏脇 司 falaise neigeux/前川秀樹
相澤久徳
「時の流れのように」



古伏脇 司
「コート」



前川秀樹
「falaise neigeux」



◇相澤久徳
人の存在を考え、作品のイメージを膨らませてみる。作業を進めているときに、悠久の時の流れを感じることがある。雲の流れが感じられるアトリエでの時間の流れは、生活の中のそれとは違っているような気がする。永遠の時の流れ。その流れのほんの一瞬の中に、それぞれの存在がある。その、時の流れや存在の強さ、儚さを作品に生かしたい。立体としての作品の存在は、その場の空間をはらみながら影響を与え、強さを持っている。その空間の中に、時間の流れが少し止まったような、また、時の動きが感じ取れるようなものを表したいと思う。時と人、空間の流れの中での存在の不思議な強さと儚さを形態の中にどのようにとどめ、イメージできるかを考えている。このような静かさや、柔らかさ、また精神的な強さや儚さを、今回の作品の中にも感じてもらえれば良いと思っている。


◇古伏脇司
自立する服。 服を固めることで多くを考えた。
コートとは身を守る外皮のこと。
しかし単独で立つコートは人をつつむかたちとして、
抜け殻として、何かの気配を感じさせる。
服が硬いということ、それは別の存在として魅力を持つように私には思える。
布の柔らかさが固まる時、そのかたちに私なりの手を加える、
そのことで、そのことにより、かたちの創出をおこないたい。


◇前川秀樹
「あいまいな部品」
大きなひとつは小さなたくさんが集まって出来ています。
部分という捉え方は、“大きなひとつの総体”が前提にあって、はじめて生じる言葉です。
そしてそれぞれの部分がいがみ合い、しかるべき場所で各々が機能することをやめてしまうと、総体は実態を保ってひとつの生命であり続けることは出来ません、人の体も社会も生態系も建築もみな同じように。
かといって、その部分すべてが、まるで無駄なく四六時中フル稼働していたのでは、これまた総体は保てなくなります。
いつもどこかが休んでいて、どこかはがんばっていて、どこかはいつまでも?のまま。また今日はそうでも明日はまた役割や働きは違うかもしれません。
自分も作品も、同じようにたくさんのあいまいで不恰好な部品の寄せ集めで出来ていて、また同時に世界の部品であり続けています。
そのことを知っているだけで、毎日充分である気がしてきます。



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2006 schedule



1959 横浜市生まれ
1985 東京藝術大学美術学部彫刻科卒業
1987 東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了

【個展】
1987 ギャラリー山口
1989 ときわ画廊(’90・’92・’93・’95)
1994 ギャラリーなつか(’96・’98・’00・’03)
2002 ギャラリー深志(’04)
2004 ギャラリー澄光

【グループ展】
1987 第43回横浜市ハマ展 協会賞、横浜市長賞
1989 第4回現代彫刻in穂高
1991 池袋路上美術展
1997 第33回神奈川県美術展 準大賞
2001 石彫5/ギャラリー和田(’03・’04・’05)
2005 石の思考展/芸大陳列館
2006 彫刻7人展/万国橋ギャラリー
背景をさぐる Vol.2/ギャラリーなつか
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古伏脇 司 KOFUSHIWAKI Tsukasa 戻る
2006 schedule



1961 東京都生まれ
1985 東京芸術大学美術学部卒業
1987 東京芸術大学大学院美術研究科修了

【個展】
1990 ギャルリ・プス/東京('91,’93,’95,’98,’01) 
渋谷西武工芸画廊/東京
1992 ギャラリーなつか/東京('94,’98,’00’03)
1995 日本橋高島屋コンテンポラリーアートスペース/東京
2000 北澤憲昭連続企画VOL.5 「工芸的なるもの」をめぐって GALLERY MAKI/東京
2002 アートポイントギャラリー/東京
2004 ギャラリ・プス/東京
2005 ギャラリーなつかb.p/東京

【グループ展】
1986 THE PARTY 渋谷109スタジオ/東京
1987 新装飾主義展 ギャラリーアメリア/東京
―WORK―漆・空間への対応 ワコール銀座アートスペース/東京
1988 漆・現在派1998 ギャラリーいそがや/東京('89,’90,’92)
ラッカーアート&クラフト’89 渋谷西武工芸画廊/東京
1989 CHRISTMAS PRESENTS FROM ARTISTS 渋谷西武工芸画廊/東京
1990 URUSHI WORK 1990 渋谷西武工芸画廊/東京
On the Earth展 Axisギャラリー/東京
東京〜TOKYO展 有楽町西武アートフォーラム/東京
サントリー美術館大賞展 サントリー美術館/東京
1991 現代作家立体小品展―壁V― ワコール銀座アートスペース/東京、ギャラリーマロニエ/京都('92)
1993 塗りの系譜展 東京国立近代美術館工芸館/東京
嗜欲の器 ギャラリーいそがや/東京('94)
現代漆作家三人展 スタジオ・コム/京都
1994 国際コンテンポラリーアートフェア’94 パシフィコ横浜/神奈川
日本の現代作家による漆の造形と屏風絵 ギャラリーロタンダ、エクスチェンジスクエア/香港
漆の現在性 神奈川県民ホールギャラリー/神奈川
素材の領分 東京国立近代美術館工芸館/東京
SMALL SIZE COLLECTION ギャラリーなつかb.p/東京('95,’99)
1995 Japanese Studio Crafts:Tradition and Avant・Garde ヴィクトリア&アルバート美術館/ロンドン
1996 RAINBOWS AND SHIMMERING BRIDGES The Japan Society gallery/ニューヨーク、Denver Art Museum/コロラド
世界の漆うるし展その源流と現代 フジタヴァンテミュージアム/東京
開館35周年記念展Xサントリー美術館大賞特別展’96挑むかたち サントリー美術館/東京
1997 第3回1997美の予感 日本橋高島屋美術画廊/東京、横浜高島屋美術画廊/神奈川、
 なんば高島屋グランドホール/大阪、四条高島屋グランドホール/京都
素材の行方、技法の彼方 ギャラリーそわか/京都
1998 机上空間の為のアートワークス展Y’97
コンテンポラリーアートNIKI/東京('99〜00’,00’〜01)
1999 日本の工芸<今>100選 三越エトワール/パリ
工芸オブジェの系譜 東京国立近代美術館工芸館/東京
2000 日蘭交流400周年記念日本現代漆芸展 ヤン・ファン・デル・トフト美術館/アムステルダム
五島記念文化財団設立10周年記念グループ展 Bunkamura Gallery/東京
Christmas@artistクリスマスのおくりもの ギャラリー彩陶庵/山口
2002 現代日本と工芸展−素材と造形思考 ギャラリーペトロナス/クアラルンプール、ナショナルギャラリー/ジャカルタ
葡萄美酒のうつわ〜現代漆芸家10人による饗宴 東京国際フォーラム・エキジビションスペース/東京
こころのパン2002 イズミット市立美術館他トルコ各地を巡回/トルコ(〜’03)
2005 アジアの潜在力 愛知県美術館/名古屋
GLOBAL PLAYERS Bankart /横浜
TRANSFORMATIONS  National gallery of Australia/キャンベラ
2006 GLOBAL PLAYERS Ludwig Forum/アーヘン
背景をさぐるVol.2 ギャラリーなつか/東京

【パブリックコレクション】
1995 ヴィクトリア&アルバート美術館/ロンドン
1996 国際交流基金/東京
1997 ブルックリン美術館/ニューヨーク
2003 東京国立近代美術館/東京 《草舟98-01》
2006 東京国立近代美術館/東京 《乾漆車箱04-03》

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前川秀樹 MAEKAWA Hideki 戻る
2006 schedule



1989 武蔵野美術大学油絵科卒業
1997 KAJIMA彫刻コンクール金賞
1995 武蔵野美術大学パリ賞
1996 渡仏

【個展】
1991 ギャラリーなつか/東京('03)
1995 INAXギャラリー/東京
1996 Cite des art/パリ
1997 プラスマイナスギャラリー/東京
2000 かわさきIBM市民文化ギャラリー/神奈川
2003 中京大学C・スクエア/愛知
ギャラリー百草/岐阜
2005 アートワークスギャラリー/茨城

【グループ展】
1994 第3回KAJIMA彫刻コンクール入賞作
1998 フィリップモリスアートアワード入賞作品展/東京
2001 拡張する美術 つくば美術館/茨城
2003 自然の中で 豊科近代美術館/長野
2004 現代美術の磁場 つくば美術館/茨城
2006 背景をさぐるVol.2 ギャラリーなつか/東京

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